病院の開設
医療法は、国民の適正な医療を確保することを目的とし、医療施設の適切な配置人的構成、構造設備、管理体制等の規制及び医療法人の規制等を行うものです。
病院とは、医師又は歯科医師が公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、患者20人以上の収容施設を有するものをいい、傷病者が科学的で適正な診療を受けられるよう便宜を与えることを主たる目的として組織され、運営されるものでなければなりません。また、病院の中には総合病院制度があり、内科、外科等5科目以上の一定の診療科目と病理解剖室等一定
の施設を有する病院が都道府県知事の承認を得て総合病院という名称を使用できる制度です。
診療所とは、病院と同様に、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のために医業又は歯科医業を行う場所で、患者の収容施設について、これを有しないか19人以下の収容施設であるものをいいます。
なお、病院又は医師、歯科医師が常時3人以上勤務する診療所を開設しようとする社団又は財団は、一定の手続を経て医療法人となることができます(2)手続(3)医療法人の設立参照)。
助産所は、助産婦が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所においてなすものを除きます。)をなす場所をいいます。しかし、妊婦、産婦又はじょく婦を10人以上収容する施設を有することはできません。
病院、診療所等の開設者には種々の義務が決められており、これらに違反すると各種の行政処分の対象となります。次に開設者の具体的な義務を掲げます。
- 開設許可を受け、休廃止の届け出を行う義務
- 医師を管理者とすべき義務。つまり医業を行うものであるときは医師に、歯科医業を行うものであるときは歯科医師に、それぞれの管理をさせなければなりません。
- 開設者が自ら管理者となる義務。つまり、病院、診療所の開設者が管理者 となることができるときは、自らその病院、診療所を管理しなければなりません。ただし都道府県知事の許可を受けたときは、他の者に管理させてもかまいません。